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インドで「ad:tech New Delhi」に参加してカレーを沢山食べてきました!

fluct Magazine

2017.03.23

インドで「ad:tech New Delhi」に参加してカレーを沢山食べてきました!

インドで「ad:tech New Delhi」に参加して見えた、アジア市場の未来

こんにちは、経営企画本部 海外事業戦略室 室長の鷹嘴です。今回は、2017年3月9日〜10日に開催された「ad:tech New Delhi」に参加しました。初めてのインド出張ということもあり、世界最大規模の人口を目前に控えた国の広告エコシステムを、現地で肌で感じる貴重な機会となりました。

会場は、首都ニューデリーから1時間ほど離れたグルガーオンという都市にあるCyberHub。Snapdealをはじめとするハイテク企業が集まるこの街には、近代的なビル群が立ち並び、ITを軸とした成長の熱気が漂っていました。


イベント構成と会場の様子

ad:tech New Delhiは、セッションと展示エリアの2構成。有料と無料のブースエリアに加え、ROYAL BALL ROOMとMAPLE BALL ROOMの2会場で同時進行するセッションが展開されました。

参加者は5,000〜6,000名規模と見られ、会場全体が熱気に包まれていました。

印象的だったセッション内容


グローバルからの示唆

初日のセッションでは、イギリスのFMCG企業Reckitt Benckiser社が登壇し、"Turning Media Complexity into a Business Opportunity"(複雑化するメディアをビジネス機会に変える)というテーマで講演。
1st・2nd Partyデータを基にモデルを構築し、3rd Partyデータと掛け合わせることで「質」と「量」を両立したマーケティングの重要性が語られました。

「データドリブンで動くこと」、そして「すべてに取り組まず、優先順位を見極めること」がポイントとして強調されていました。

消費者とテクノロジーの関係

ほかのセッションでは、AR、VR、AI、IoTといった新技術がマーケティングフレームワークを再定義する中、マーケターは変化を前提に戦略を柔軟に設計する必要性があるとされていました。

さらに、人材育成の課題にも焦点が当てられ、デジタルスキルを持つマーケターの不足が、今後の成長の壁になるという指摘もありました。

ローカル企業の台頭

2日目のキーノートでは、インド最大手メディア「Times Internet」のCEOが登壇。同社はメディアという枠にとどまらず、「デジタルプロダクト企業」へと転換しているという説明が印象的でした。

自社アドサーバーの開発や、縦型メディアによるトラフィックの自社内循環、データ基盤の構築など、収益化とユーザー体験を両立する戦略的な施策が紹介されていました。

テクノロジーが発展段階を飛び越えるリープフロッグ現象


中国では、WeChatを使ったモバイル決済が法整備に先駆けて普及しましたが、同様の現象がインドでも起こる兆しがあります。実際、PaytmやUberなどがすでに普及し、WhatsAppは日常のコミュニケーション手段として定着しています。

こうした文脈の中、競争の激化は避けられず、プロダクトの本質的な力で勝負が決まる市場構造になると感じました。

展示エリアの印象


出展企業の内訳は、インドローカル50%、欧米30%、中国企業10%、その他10%。「グローバルリーチ」「ターゲティング精度」「特許技術」などが各社の差別化要素として強調されており、DSP領域の競争の激しさを感じました。

日本からはアドウェイズ社がブースを構えており、日本人参加者は数名にとどまっていました。

インドの食文化体験


食事面も滞在の楽しみの一つでした。インドでは4回ほどカレーを食べましたが、どれもスパイスの奥行きがあり非常に満足度の高い味でした。料理の多くにスパイスが使われているため、すべてが「カレー風味」に感じるという印象も、ある意味的を射ているかもしれません。

まとめ


今回の出張で得た一番の収穫は、インド市場のダイナミズムを自分の目で確かめられたことです。特にTimes Internetのような先進的なパブリッシャーの存在や、セッションから感じた「変化を前提にした設計」の考え方は、今後の戦略に大きな示唆を与えてくれました。
1月にfluctへジョインしてから各国を訪問してきましたが、インドの可能性には他国とは異なる圧倒的なインパクトがあります。これからも、海外市場のリアルな空気を届けられるよう情報発信していきます。