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徹底理解!ヘッダービディングの登場の背景と仕組み-導入メディアにも取材をしました!-
2017.01.18
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ヘッダービディングとは何か?背景から導入事例まで徹底解説
今回のテーマ
今回のテーマは「ヘッダービディング」です。日本でも注目が高まりつつあるこの技術について、仕組みや導入背景を整理しながら、実際のメディアの導入事例を紹介します。
ヘッダービディング登場の背景
なぜヘッダービディングが必要とされたのか?
ヘッダービディング(Header Bidding)とは、WebサイトのHTML内に専用タグを設置し、従来のアドサーバーよりも先に広告リクエストを送信することで、高単価な広告を決定・配信する手法です。これにより、複数のSSPやアドエクスチェンジによる価格競争が実現します。
登場の背景は主に2つあります。1つ目は、Googleが提供するDFP(DoubleClick for Publishers)に依存するパブリッシャーが多く、広告配信の主導権が偏っていたことです。2つ目は、「ウォーターフォール方式」による配信遅延(レイテンシー)と収益機会の損失でした。
SSPやアドエクスチェンジ事業者は、DFPに依存しない形で広告のファーストリクエストを得る手段として、ヘッダービディングを開発・提供するようになりました。
ウォーターフォール方式の課題
配信順序に依存する仕組みの限界
ウォーターフォール方式では、あらかじめ設定した順序でSSPに広告リクエストが送信されます。その結果、最も高い価格を提示しているSSPが後ろに配置されていると、その価値が反映されないまま広告が配信されてしまう可能性があります。
また、複数のSSPに段階的にリクエストを送るため、広告表示までの速度が遅くなる「レイテンシー」も深刻な問題です。
ヘッダービディングの仕組み
並列入札による価格最適化
ヘッダービディングでは、HTML内の専用タグを通じて複数のSSP・アドエクスチェンジに同時にリクエストが送られます。その中で最も高い価格を提示した広告を、DFPなどのアドサーバーに送信し、最終的な広告と比較して高価格の広告が選ばれます。
この方式により、価格の最大化と広告配信の安定性を両立することが可能となります。
実際の導入メディアへの取材
導入の背景と狙い
大手メディアにて広告運用を担当する責任者に取材を行いました。導入の背景として挙げられたのは、DFPに依存しすぎず、マネタイズの多様化を図りたいという意図と、DoubleClick Ad Exchangeと競合するネットワークを設け、広告単価の引き上げを狙いたいという意図の2点です。
これらのニーズに応える技術として、ヘッダービディングの導入が検討されました。
導入ソリューションの選定と理由
取材先では「OpenX」を選定。選定理由は、接続可能なDSPが多く在庫消化効率が高いことと、専用の管理画面があり導入作業の簡略化が図れることでした。
導入にあたっての課題と工夫
導入初期はタグ設計や社内調整に工数がかかると想定されていました。しかし、プラットフォーマーとの丁寧な調整により、課題は解消。特にOpenXでは、実装負担を軽減する仕組みが提供され、円滑な導入に寄与しました。
導入のメリットと課題
メリット
ヘッダービディングには、複数のプラットフォームによる純粋な価格競争が実現できるという利点があります。また、DoubleClick Ad Exchangeとの競争により収益最大化が期待できる点も大きなメリットです。
課題
一方で、導入・運用には専門的な知識とリソースが必要とされます。また、設計によってはレイテンシーが悪化する懸念も存在します。
Googleの新たな動き
Googleは、ヘッダービディングに対抗する形で「Exchange Bidding」を準備中です。これは、Google公式として他社ネットワークとの価格競争を許容する試みであり、今後の注目ポイントといえるでしょう。
国内ソリューション事業者(アルファベット順)
- AOL:HEADER BIDDING SOLUTION
- DAC:FlexOne® HARRIER
- OpenX:OpenX Bidder
- Pubmatic:Decision Manager
- Rubicon Project:FASTLANE
まとめ
ヘッダービディングは、広告収益の最適化を狙うパブリッシャーにとって有効な技術です。しかし、その導入には専門知識や運用体制の整備が求められます。
導入の是非を判断するには、自社メディアの特性や課題を正確に把握した上で、プラットフォーマーとの協議を通じて最適な設計を模索することが不可欠です。