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世界最大規模のゲーム業界カンファレンス Game Developers Conference2018レポート
2019.04.23
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Game Developers Conference 2018参加レポート
2018年3月19日〜23日、アメリカ・サンフランシスコで開催された「Game Developers Conference(GDC)」に、株式会社fluct 経営企画本部より今井悠介(執行役員)と重崎雅弘(アプリソリューション本部 本部長)が参加しました。GDCは世界最大級のゲーム業界向けカンファレンスであり、世界中から26,000人以上が来場する一大イベントです。
GDCとは
GDCは、ゲームディベロッパーに限らず、周辺事業者や広告関係者も多数参加する業界横断的なカンファレンスです。500以上の企業が出展し、800を超えるセッションが開催されました。会場はサンフランシスコ・モスコーンセンター。現地では、LinkedInやFacebookを使って事前にアポイントを取り、会場周辺のホテルやカフェでも多くの商談が行われていました。
UnityやCheetahmobileなどの企業は、自社イベントやパーティーも同時開催。毎晩3〜5件のパーティーが催され、サンフランシスコ市街全体がGDC一色に染まっていた印象です。
注目領域と展示傾向
特に目立っていたのは、FacebookやGoogle、SONYなどによる大規模なVR/AR関連展示。ゲームディベロッパーの出展はPC/コンソール向けが8〜9割を占め、モバイル向けは1〜2割程度。また、ブロックチェーン関連のゲーム系サービスも複数出展されており、業界の最新トレンドを肌で実感しました。
各国ディベロッパーの見解
- 日本市場は魅力的だが、ローカライズのハードルが高く、グローバル展開の後に進出したいと考えている企業が多い
- モバイルゲームでも広告マネタイズへの関心は高い
- 日本の広告在庫が少ない地域の収益性改善は、各社とも優先順位が低め
プラットフォーマーの動向
- ARCore、Google Maps API、Polyなどを用いた開発支援
- FirebaseやGCPによるインフラ支援
- Open Biddingによるウォーターフォール解消と収益最適化
- Oculusを中心としたVRゲーム支援
- Instant Gamesと連動した広告プロダクト
- Monetization Managerによる可視化・最適化支援
Amazon
- AWSの新サービス「Amazon GameOn」によりeSports領域への進出
マネタイズトレンドと広告フォーマット
広告による収益化手法としては、ウォーターフォールに代わる「ユニファイドオークション型」への移行が進行中。FyberのFairbidやAppodealなどが同様の仕組みを発表。推奨されていた広告フォーマットは以下の通りです。
- 動画リワード広告
- プレイアブル広告
これらはユーザー体験と収益性の両立を図るフォーマットとして注目されていました。
Googleの注力領域
- ARCoreはスマートフォンを通じて現実世界と仮想オブジェクトの融合を可能にし、ゲームの表現幅を拡張
- Poly APIは3Dオブジェクトの開発効率を大幅に改善
- Google Maps APIはロケーション連動型ゲームに最適
- Open Biddingはリアルタイムで最適価格を提示し、広告収益最大化を図る新機能
Facebookの戦略
- 2019年のゲーム広告市場は69億ドル規模、2014年比で**+97%の成長**
- 動画リワード広告は課金よりも好まれるとするユーザー調査結果を提示
- ユーザー体験を考慮した広告導入設計の重要性を強調
参加を通じた気づき
日本市場はアプリ内課金率が高く、現時点では広告マネタイズが一般化していません。しかし、グローバルでは課金と広告のハイブリッドモデルが標準化しつつあり、fluctとしてもこの変化に合わせたソリューションの提供が求められています。
「課金率の低下」「ゲーム世界観の崩壊」といった懸念を払拭する工夫を講じながら、開発パートナーの成功に貢献する姿勢が必要です。「メディアの成長を共創する」というミッションに基づき、fluctは今後も先進的なカンファレンスへの参加と発信を続けていきます。
今後のレポートにも、ぜひご期待ください。