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【fluct Magazine 過去記事】アドテクガールにnanapiのマネタイズについて聞いてきました

fluct Magazine

2015.10.28

【fluct Magazine 過去記事】アドテクガールにnanapiのマネタイズについて聞いてきました

KDDIのSyn.構想とSupership株式会社への転換


KDDIのSyn.構想に参画し、11月1日から「Supership株式会社」として新たなスタートを切る株式会社nanapi。常に時代の先端を行く世界観を発信し続けるnanapiには、これまでも多くの企業が注目してきました。今回は「アドテクガール」の愛称で親しまれている佐藤美咲さんに、nanapiがこれまで行ってきたマネタイズ施策について伺いました。

キャリアと転職の背景


まずは自己紹介をお願いします。

2012年にマイクロアドへ入社し、SSPの運用担当としてキャリアをスタートしました。2年ほど勤務したのちに数か月間海外で過ごし、2014年9月にnanapiにジョイン。現在はアドテク運用とSEOを兼任しています。

nanapiに入社したきっかけと、入社後の印象を教えてください。

自分の仕事が収益に直結する感覚に強く魅力を感じていたので、学生時代から広告領域に関心がありました。当時、最先端のアドテクに取り組んでいたマイクロアドに入社し、さまざまなメディアの方々と接する中で、"自らメディアの中に入り、アドテクを駆使してマネタイズを手がけたい"という想いが芽生えたんです。
「おすすめの会社は?」と周囲に聞くと、皆が口を揃えて「nanapi」と答える。その声に背中を押され、転職を決めました。実際に入社してみて感じたのは、グロースハックに対する情熱。新しいことにはまず手を出すというカルチャーが根づいています。

nanapiという会社と主力サービス


nanapiとはどのような会社ですか?

株式会社nanapiは2007年12月に設立。現在は社員約40名の組織で、主に3つのサービスを展開しています。主力のライフレシピ共有サイト「nanapi」、スマホ特化型のコミュニティアプリ「アンサー」、そしてグローバル視点のメディア「IGNITION」。
「nanapi」は、How-Toに特化したコンテンツメディアです。たとえば、人参の切り方からご祝儀の相場、離婚の手続きやナンパの方法まで、幅広いテーマを扱っています。月間5,000万PV、月間1,000万〜2,000万UUを記録しており、記事数は十数万本。自社編集部が専門家を取材し、信頼性のある記事を制作しているのが特徴です。

マネタイズの歩みと現在の体制


nanapiのマネタイズの始まりについて教えてください。

当初、nanapiは記事広告やタイアップを手がけていたものの、バナー広告には手をつけていませんでした。成長段階にあったため、プロダクトの拡大に注力していたためです。
2012年、社内で「AdSenseを試しに入れてみたら?」というアイデアが出たことをきっかけに、テスト導入を実施。その結果、想定以上のパフォーマンスが出たことから、本格的にアドテクを導入した収益化へ踏み出しました。

現在の広告運用体制について教えてください。

基本的にはGoogleの配信とCPM保証案件を併用しています。国内のさまざまなアドネットワークやSSPを試しましたが、Googleの単価が最も高く、収益性で他の追随を許さない状況です。Googleの配信が可能な枠については、90%以上を同社で運用しています。
使用しているのは、Googleの「DoubleClick Ad Exchange」と「DoubleClick for Publishers(DFP)」。DFP上で最低落札価格(フロアプライス)を設定し、毎週チューニングを行うことで、在庫の販売価格と方法の最適化を図っています。

チューニングとは具体的にどのようなことをされていますか?

ABテストを繰り返しながら、主に2つの観点でチューニングを行っています。
1つ目は、オープンオークションとPMP(プライベートマーケットプレイス)のバランス調整。PMPは優先取引である分、単価が高く設定されるため、適切な比率で運用することが重要です。
2つ目は、ユーザー属性ごとのフロアプライス最適化。同じ広告枠であっても、検索経由で訪れたユーザー、提携ニュースサイトから流入したユーザー、毎日閲覧しているユーザーでは、広告価値が異なります。ユーザーの来訪経路に応じて価格を調整しています。

純広告・保証案件と新商材への挑戦


純広告や保証案件の運用方法を教えてください。

nanapiの記事は19の大カテゴリ、そして約1万6,000のサブカテゴリに分類されています。これらの情報はDFPと連携されており、広告主や代理店は枠位置やカテゴリを細かく指定した配信が可能です。
DFPの配信予測機能を用いることで、指定条件下での配信量を瞬時に算出できます。また、カスタムターゲティング機能により、柔軟な広告配信設計ができるようになっています。

最近注目している新商材はありますか?

「Google Consumer Surveys」というアンケート型広告に注目しています。記事の途中までは通常通り閲覧できるのですが、続きを読むためには簡単なアンケートへの回答が必要になる仕組みです。テスト段階ですが、非常に高いCPMが出ており、今後に期待しています。
そのほか、レコメンドウィジェットや動画広告など、新たな収益源となり得るフォーマットにも積極的にトライしています。

メディア運営の心構えと今後の展望


最後に、メディア関係者へのメッセージをお願いします。

新しいサービスや商品を紹介された際は、とにかく一度試してみることが大事だと思います。合う・合わないは試してみなければわからないので、まずは行動してみることが重要です。
また、同業のメディア担当者と情報交換することも非常に有意義だと感じています。私自身も前職時代から多くの方とつながりを持ち、今でも相談したり助けてもらったりしています。

Supershipとしての今後の展望について教えてください。

nanapiは11月1日より「Supership株式会社」として新たなスタートを切ります。アドテクノロジー企業とメディア企業が一つになることで、より大きな価値を生み出せると考えています。
これまでnanapiで得た知見をスケールアウトし、広告主やメディアに提供する。それと同時に、広告主からの要望に迅速に応えていく。グループ会社であるアップベイダーやSocketとの連携を通じて、新しい価値を創出していきたいと思っています。

採用・広報のお知らせ


現在、Supershipでは複数のポジションで人材を積極採用中です。興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。また、運営メディア「nanapiマーケティングマニア」も合わせてチェックしてみてください。