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プログラマティック広告の世界的カンファレンス「Programmatic i/o in NY」参加レポート(前編)

fluct Magazine

2016.11.23

プログラマティック広告の世界的カンファレンス「Programmatic i/o in NY」参加レポート(前編)

世界最大級の広告カンファレンスに参加して得た、アメリカ市場の“今”

2016年10月末、ニューヨークで開催されたプログラマティック広告の国際カンファレンス「Programmatic i/o」に、fluctの執行役員・今井が参加しました。本記事では、現地で見聞きした内容や日本市場との違いについてお届けします。なお、本記事は前編です。後編では、Audience TargetingやVideo/TV Adsに関するテーマを取り上げます。

Programmatic i/oとは

年に2回、サンフランシスコとニューヨークで開催される、プログラマティック広告に特化した業界最大級のカンファレンスです。主催はデジタルマーケティング情報を提供するAdExchanger。今回のニューヨーク会場には、2日間で1,100名以上が来場し、50名以上の業界キーパーソンが登壇しました。

今回は1日目のプログラムが2系統に分かれ、今井は「Ops Talk」側に参加しました。実務寄りのテーマが中心となるセッションが並び、現場担当者の肌感覚に近い内容が特徴です。

印象的だったセッションテーマ


Inventory Quality(在庫の質)

ほぼすべてのセッションで触れられていたのが「Inventory Quality」。日本以上にアメリカ市場ではAdFraud(不正インプレッション)やViewability(視認性)への関心が高く、広告配信の信頼性を高める取り組みが議論されていました。「CPM」だけでなく、「Human(人間による閲覧)」と「Viewable(視認可能)」の条件を満たした「CPHVM」という新たな評価指標が登場したことも象徴的です。

Header Bidding(ヘッダービディング)

RTB(リアルタイムビッディング)取引における最新の技術トレンドとして、多くのセッションで紹介されていたのがHeader Biddingです。従来、GoogleのDFP(DoubleClick for Publishers)がRTB取引の優先順位を独占していたため、複数のDSPが同時にオークションに参加できるHeader Biddingの仕組みが注目されています。

Header Biddingにより、メディアはすべての広告枠で公平な競争を促進し、結果として適正価格での広告販売が可能になります。AppNexusの担当者も、自社が提供するHeader Biddingのメリットを強調していました。

一方でGoogleは、Header Biddingによるページ読み込み遅延(レイテンシー)への懸念を指摘。「Exchange Bidding(エクスチェンジビディング)」を強化することで、広告体験とユーザー体験の両立を目指すと語っていました。

おわりに

アメリカ市場では、在庫の質や透明性の担保が議論の中心にあり、Header Biddingのような技術トレンドへの関心も非常に高いことがわかりました。次回は、Audience TargetingやVideo/TV Ads、Latencyに焦点を当てたセッション内容をお届けします。